こいぬと化したひと

何か適当にやっていきます

博士の手日記 1

吉日歴1年初日

これは素晴らしい日だ、

今日からこの寒空が新たな年を告げるようになる。

だが我々として・・あまり実感が無い・・

 2日

元日から開けたこの日、

何かしなければならないと思った私は近くの山へと上りに行った。

山とはなんと素晴らしいものか・・

考えようのないぐらい広いと未の光が私を照らす・・

あたりは草原・・だが草原だからこそ風が私を揺らす・・

あぁ・・自然とは・・これほどまでに・・すばらしい・・

3日

昨日の山探検に行ったおかげでたくさんの情報を得た。

無論・・子供の頃から行っていた山ではあったが・・

だが・・月日が流れると同時に生き物も変わっていた。

4日

今日も山に行ってしまった・・

本当はこんなことやってないで講習を受けないと行けないのだが・・

軍学で学ぶことは全て人を殺すことにしかつながらない・・

一体いつになったら世の中で楽しく生きていける学問が出てきてくれるか・・

5日

7日から一週間ごとにかくことにする。

私はたくさん知りたいことを追求したいからだ・・

12日

私がチグリ村の店に行き、合計金額を言うと驚かれた・・

チグリ村の教育とはどのようなものなのだ?

チグリたちは山に城を築いたのに・?

調べると陸軍が作りチグリはそれに従ったようだ・・

一応陸軍も教えているらしいが・・教師不足に悩まされているらしい・・

19日

私は3日間山で泊まった。

夜の山は恐ろしい反面

美しい別の素の顔が見れた気分だった。

山から降りるとき

わたしの身は三日前とは変わった感じがした。

これらを研究し・・早くチグリたちに素晴らしいことを学ばせたい・・

26日

好きなことをすることは楽しいことだ、

私はあの時からもう早く一ヶ月たった。

だが私は飽きずに山に篭っては記録している。

こんなにもきらめいたのは私の小生時代ぐらいだ・・

30日

今回はなぜだかしれないが・・

山の中でチグリに出会った。

チグリは私に警戒せず。

楽しく私にいろんなことを教えてくれた。

きっとチグリ村から来た者だろう・・

私の話している言語と同じだった・・

7日

チグリの少年とすごしてはや7日

今思えば家にまだ帰っていない。

だが山に泊まりたい気持ちもある・・

家に帰るとこんな楽しい日々の研究ができる・・

だが・・少年になんと言おうか・・

14日

少年に帰ると告げるとついていくと返された。

一応、養うことはできる。

家に帰ると当然暗く、想像通りの家だった。

だが・・前より、少しあたたかくなった気もした。

少年と一緒に寝て一緒におき、毎朝少年に私が学んだことを教えた。

21日

少年は只者ではなかった。

彼は私が思って以上に読み込みが早く、

次は何?次は何?と毎日言われる。

幸い、まだまだ学ぶことがあるのが大変だが・・

28日

少年は私の大学に興味を持ったようなので連れて行った。

すると先生に止められ、

入れたいならお前が博士号を取れ、と言われた。

理由はおそらく非人間差別だろう。

私には同じ人間で肌の色が違うだけだと思うが・・

7日

私は少年に謝った。

だが少年は笑ってゆるしてくれた・・

少年は謝る私に「ペンをくれ」と催促してくれた。

私は負けない・・必ず博士号をとり、この少年を立派な偉人にさせてやる。

14日

少年に買い物頼んだのだが帰るのが遅いと思い、外に行くと

暗闇の中で少年たちが少年を囲んでいた。

幸い、暴力は奮ってなさそうだ。

近づいて、少年たちを解散させると

囲まれていた少年は、同じちぐりであったが私の知っている少年とは違った。

家はどこかと聞くと。

この街と少年は行った。

かわいそうなのでこいつもめんどうを見ることにした。

21日

私が山で出会った少年には

イーガと名付け、

囲まれていた少年には

ウギと名付けた

イーガは私の知っている偉大な冒険家から

ウギは武術に長けていて、頭が鋭い将軍から取った。

二人は中がよかった。

そして、男、男だったため、すぐに一緒に行動するようになった。

私としてはイーガに友達が出来て嬉しい限りだ。

だが、もちろん養うために二人にも畑作業を手伝ってもらう。

28日

今日は今までの山の生態系についての論文を大学に提出し、

見事 天認学者 となった。

天皇認定学者の略である。

私はこれのおかげで国から支援金をもらい、

より一層素晴らしい生活ができるようになった。

7日

何故だが知らないが・・

急に海軍に呼ばれた。

チグリ人間を育てているから怒られるのかと思ったが

海軍は一切そんなことを口にせず

国が作った貿易港に行けと命じられた。

船と食料と警備はつけると言われた。

私は行きたくなかったが

ここを断ると、チグリ人間が殺されると思い

引き受けた。

ただし、海軍にチグリ人間を連れ込み、人間同等の権利を与えることを条件とした。

まぁムリだと思ったが、担当の海軍は私に綺麗な笑顔で許すと言った。

行くのは一ヶ月も先だ。

それまでに準備をしなければ。

14日

私は、二人に文字の教えを完璧にした。

次に、二人を約束の大学に連れて行った。

大学からも海軍と天皇の後ろ盾があったからか

私をすんなり受け入れてくれた。

だが、二人が興味を湧いたのは

授業風景でも楽しそうに遊んでいる自由時間でもなかった。

彼らは静かで明るい図書室に興味が湧いたそうだ。

帰りに、本を一冊複製してもらい

それを二人に与えた。

一冊を共同に使えという酷な話だが・・

現在の技術力では大量に印刷するのは不可能だから仕方がない。

21日

彼らが見た本は

どうやら印刷の仕方などが書いてある本だった。

もっと、面白いものがあるだろうと思ったが

自分にある本が図書室のレベルを超えていたのだろうから

これを買ったのだろう。

28日

急に工場に行きたいと言い出した。

おそらく活版の場所だろう・・

だが、置いてあるのは大学内とチグリ村だった。

この際だろうと思い、チグリ村の工場に彼らを連れて行った。

チグリからの目線はしんどかったが、

それ以上に、二人がしんどかったであろう。

あそこの村の人からすれば

人間とチグリが一緒に歩くなど

まぁまず見たことがないはずだからである。

早速工場につくと工場主から

何のようだ、と警戒している声で言われたので

この二人がここに興味があるようなのです。と言って二人に手を添えると

工場主はすこし警戒心が溶けたのか

優しい声で そうか、それはよかった と胸をなでおろしていた。

早速、工場主が号令をかえ私達のことを説明してくれた。

だがチグリ語と吉日語は似ていないということをここで思い知らされた。

二人は少々困ったような顔で説明を受けていた。

これを工場主に言うと

工場主が吉日語で喋ってくれた。

ありがたい・・

二人は工場と工場主にお礼を言い、

私たちは帰路についた。